2021/09/04 13:30
丘の上に立っていたライオン像。女の子が、うちまで連れて行って、声をかけると、ライオンは台から降りて、女の子に付き添います。
ライオンと女の子が街中を歩くと、みんながビックリします。長い長い帰路を、女の子とライオンは歩きます。途中、弟を迎えにいってお買い物も済ませます。女の子は母親が帰るまでに夕飯をつくり、工場から帰ってきたお母さんを迎えに行きます。
この絵本を読んだ方は、きっと、ページをめくりながら、少し違和感を感じるかと思います。
街はくすみ、ビルの壁はヒビがたくさん入り、塗装が剥げ、ブロックがむきだしになっているところもあります。母親は遅くまで仕事をして、弟の面倒もごはんの支度も、女の子がしなければなりません。
最後のページをみると、ライオンがなんなのか、よくわかります。そして、これは家族の物語なのだと知ることができるでしょう。
舞台になる街は、著者の住むコロンビアでしょうか。貧困の家族が多い街を絵本の舞台にしたのは、その場所の家族の有り様を描きたかったのかもしれません。
familias de desaparecidos
新聞に書かれた見出しの意味を知ると、そう思ってしまうのです。
日本に住んでいたら絶対に描かない描き方で、海外絵本の良さを存分に楽しめる一冊なんじゃないかな、と、思います。
Walk with Me
Contributor(s): Buitrago, Jairo (Author), Yockteng, Rafael (Illustrator)
EAN: 9781554988570
Publisher: Groundwood Books
Binding: Hardcover
Pub Date: March 14, 2017
Target Age Group: 04 to 07
Physical Info: 1.27 cms H x 23.37 cms L x 23.11 cms W (0.43 kgs) 35 pages
Publisher Marketing:
A deceptively simple, imaginative story depicting the complex emotional reality of a girl whose father no longer lives at home.
The girl conjures up an imaginary companion, a lion, who will come with her on the long walk home from school. He will help her to pick up her baby brother from daycare and shop at the store (which has cut off the family's credit), and he'll keep her company all along the way until she is safe at home. He will always come back when she needs him, unlike the father whom she sees only in a photograph -- a photograph in which he clearly resembles a lion.
邦題『いっしょにかえろう』(岩崎書店)